社会資本としての住環境研究会 第5回

住み続けられる地域をつくる/考える 1

地域コミュニティとグループリビング

2020年9月26日(土)
14:00〜15:30(13:50入室開始)

■Zoomによるオンラインセミナー

チラシPDF

主催:一般社団法人 LIFETIME HOMES ASSOCIATION

■趣旨
地域の医療、福祉、生活支援の提供は、誰もが地域で住み続けられるために必要です。それらのサービスを利用する人それぞれの住まい方に応じて提供されることが重要になってきます。介護や看護のサービスが必要なとき、今ある生活の延長上で住まい方を考えていく上で、それぞれの住まいがそのための備えをしていなければ、様々な困難が生じることになりかねません。さらに今いる地域の中で暮らし続けるためには、その地域のサービスを充分利用でき、さらにはその地域の人と交流し、その地域で活動できることが重要であり、そのためにその人の住まい方にあった地域コミュニティが整備されていることが欠かせません。生活が地域とつながり続けるためには、住宅や建築、地域のデザイン、そして制度システムや地域ネットワークには何が必要なのでしょうか。
これまで研究会では、社会的共通資本としての「制度資本」である地域包括ケアシステムに必要な「社会的インフラストラクチャー」としての住宅のあり方としてライフタイム・ホームズという設計基準を紹介してきました。さらに地域で暮らすためのアクセシビリティを整備するライフタイム・ネイバーフッズについて考えてきました。
ではこれらをどのようにデザインするのが良いか、住み続けられる地域をつくる様々な試みの事例を通して考えていきたいとおもいます。今回は地域で生活するために必要なネットワークについて、グループリビングという住まいのあり方とそれを支えるシステムの構築を例に、講師を招いてお話を伺います。

■プログラム
14:00-14:05:ご挨拶 原利明(一般社団法人LIFETIME HOMES ASSOCIATION 理事)
14:05-15:00
地域コミュニティとグループリビング
 土井原奈津江(慶應義塾大学スポーツ医学研究センター)
15:00-15:30:ディスカッション・質疑応答

■レクチャー概要
地域コミュニティとグループリビング
 グループリビングとは、複数の居室と共同生活空間から構成される住宅において、コミュニティの中の様々な資源による食事・清掃・健康維持等に関する基礎的生活サービスを受けながら、高齢者が安心で自立した暮らしを目指す住まい方です。特徴は、ケアを効率よく受けることを主目的とした共同居住ではないことや、家庭用設備と家事仕事の範囲で生活でき、居住者間のほどよい共同性を生み出すための小規模であること、そして、地域とのつながりを大切にしていることです。
 グループリビングが地域とつながりを持つことは居住者だけではなく、そこで働く人たちや地域住民にとっても意義があることが明らかになりました。グループリビングと地域との関わりについて、事例を挙げながら説明したいと思います。

■講師
土井原奈津江
鹿島建設(株)を経て慶應義塾大学大学院政策・メディア後期博士課程単位取得退学 博士(学術)
現在は、慶應義塾大学SFC研究所 上席所員、スポーツ医学研究センター 研究員、NPO法人COCO湘南理事、NPO法人グループリビング川崎理事、グループリビング運営協議会理事・事務局
一級建築士

*第1回研究会「地域の中で考える住宅のあり方について」2018年1月
*第2回研究会「わたしと地域の回復—多様性のまちづくり」2018年4月
*第3回研究会「地域と住宅」2018年12月
*第4回研究会「ライフタイムホームズの住宅 —今泉台—」見学会 2019年6月

 当研究会では、「社会資本としての住環境研究会」として定期的に勉強会を開催する予定です。福祉制度における「社会資本としての住宅」の役割に加え、地域においてどのような住環境が提供されるべきなのか、といった「社会的インフラストラクチャー」としての住宅と地域のあり方を探っていくことを目的とした研究会です。

社会資本としての住環境研究会

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